この記事では、はじめてPower Appsを学ぶ方向けに「Power Appsとはそもそも何か?」をご紹介します。また、関連する考え方として重要な「ローコード開発」や、アプリの構造についても触れていますので、学習を進めるうえで頻出する用語を知っておきましょう。
Microsoftの製品でアプリ開発ができるPower Apps
Power Apps(パワーアップス)は、Microsoft社が提供しているPower Platform製品の中の1つです。「市民開発ツール」に分類され、一般的なアプリ開発よりも簡単かつ低コストでアプリを開発し利用することができます。
市民開発ツールとPower Appsでのシステム開発は比較的簡単で挑戦しやすいと言われています。その理由の1つにあるのが、Excelの関数とPower Pointのデザインを組み合わせたイメージでシステムを開発できる点です。
Excelの関数のような設計
画面を切り替えたり、計算をさせたり。システムの動作は、関数で定義します。
直感的に操作できるデザイン
システムのデザインをPower Pointのように作成できるなど、パズルのように組み合わせによって開発できます。
通常は専門知識と高度な技術を必要とするシステム開発ですが、Officeアプリを使用した経験のある方であれば通常のシステム開発よりも短い学習時間で習得することができます。その分開発にかかるコスト(時間もお金も)は低くなります。
キャンバスアプリとモデル駆動型アプリ
Power Appsには「キャンバスアプリ」と「モデル駆動型アプリ」の2つのアプリタイプが用意されています。それぞれに得意不得意がありますが、基本的にMicrosoft365の中で使用できるのは、左側の「キャンバスアプリ」となります。そのため、Power Platformアカデミーの記事においては、原則キャンバスアプリのみを取り扱います。
キャンバスアプリ
PowerPointのように自由なUIを作成可能
モバイルやタブレット、簡易入力のアプリに有効
モデル駆動型アプリ
ビジネスプロセスの管理や大量のデータ管理・操作に特化している
かかる時間も費用も抑えられるローコード開発
通常のシステム(アプリ)開発では、「言語」と呼ばれるルールに従ってシステムの動作を1つ1つ指定し、何千行にもなるソースコードを作成することで開発していきます。
下記の画像はYouTubeのシステムに使用されているソースコードを表示させたものです。右側の黄枠の部分がソースコードです。これはほんの一部分であり、実際にはさらに膨大なソースコードで作られています。
プログラムコードを書くことなくアプリを開発できる方法をノーコード開発、また簡単なプログラムを書くことで開発できるシステム開発の手法をローコード開発と呼ばれています。
Power Appsはローコード開発に該当し、先述したようにExcelの関数のような表現方法でアプリを開発することができます。
一般的なシステム開発の場合
システム開発に必要な要素を自ら用意し、システムを動かすプログラム全て開発する必要がある
ノーコード・ローコードの場合
パズルのように、用意されているパーツを組み合わせることでシステムを開発できる
Microsoft製品のみでアプリ開発に必要な準備ができる
通常のシステム開発では、システムに必要な要素をそれぞれ別のサービスや環境を用意する必要があります。しかしPower Appsの場合、Power PlatformやMicrosoft365製品に含まれているサービスを組み合わせることで、システムを開発することができます。
通常のシステム開発と比較しても複数の環境を用意する手間が省けるだけでなく、利用に際して必要なコストも抑えられることから低価格かつ手軽にシステム開発に取り組むことができます。
※Microsoft365製品内で完結させるためには、必要なライセンスの用意など条件があります。
一般的なシステム開発の場合
それぞれを別々に用意する必要がある
Power Appsの場合
Microsoft365製品内で完結できる
最後に
今回はPower Appsの基本とローコード開発の考え方についてご紹介しました。Power Appsの詳しい使い方や画面の見方についてもご紹介していますので、よろしければご覧ください!
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